林業経済研究
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1995年「国勢調査」データを用いた林業就業者のコウホート分析
田村 早苗永田 信立花 敏大橋 邦夫
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1998 年 44 巻 1 号 p. 93-98

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抄録

1955〜95年の「国勢調査」産業別就業者数のデータを用いてコウホート分析を行なった。全産業と建設業はほぼ同様なコウホート分布を示し,農林漁業と全産業とは全く異なる分布形態を示した。55年以降の農林漁業における労働の中心的世代は1930〜40年生まれコウホートで,全産業に比べて高齢化が顕著である。また,世代交替が行われていないことも全産業との大きな相違であった。年令階層別に見ると,15〜19歳の純参入は急激に減少した。また,75〜80年と90〜95年にかけての2つの期間で50歳以下の幅広い年代で参入の超過が見られた。しかし,そのコウホート比は非常に小さく,この年齢層の参入超過が構造化するには至っていない。林業就業者の減少は55〜65年に集中していた。前半は25〜29歳を中心に退出が大きく,後半は広範な年齢層に広がった。高度成長期,まず若い人達が他産業から求められ,その後さらに多くの労働力が求められた様子が観察できた。将来的に広範な年齢層で減少が続けば林業就業者は1万2千人と推計される。しかし,中年層以下の参入超過が構造化すれば3万人と推計された。

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© 1998 林業経済学会
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